大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)1191 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人の上告理由第一点について。

論旨前段の所論は、徒らに原審の事実認定を非難するにとどまり、適法な上告理

由に当らない。

又、白地為替手形に関する手形法一〇条の規定は、手形要件の記載が未完成のま

まで交付された為替手形でも、他人に補充権が与えられたものである限り、その要

件欠缺の程度態様の如何に拘らずこれを有効とする趣旨を前提としているものとい

うべく、同条が約束手形にも準用されることは、同法七七条二項の明規するとおり

である。従つて、約束手形の未完成の部分が受取人欄であつても、白地約束手形と

して有効であることにいささかの変りもないのであるから、論旨後段の所論は、白

地手形の性質を誤解したるに因るものというの外なく、採用の限りでない。

同第二点について。

たとい所論のように、訴外株式会社D鋳工所が上告人に対し本件手形を被上告人

から回収して返還すべき義務を負つたにもせよ、そのことは単に右訴外会社に対す

る人的抗弁たりうるに過ぎず、これを理由として被上告人に対し本件手形金の支払

を拒みえないことは明らかであるから(手形法七七条、一七条)、この点に関する

上告人の主張は主張自体理由がなく、原審がこれにつき判断を与えなかつたからと

いつて、違法とはいえない。論旨は採用の限りでない。

同第三点について。

被上告人が第一審において上告人の抗弁を聴いてから後で本件約束手形における

最終の裏書たる被上告人名義の裏書を抹消したとの事実は原判決の認定しないとこ

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ろであるばかりでなく、被上告人が一旦提出した証拠物写を後に取り替えたとして

も、そのことは被上告人の本訴請求の当否に何等の関係はないから、論旨は採用で

きない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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